江戸時代から薬づくりの伝統が受け継がれる富山は、清らかな水が豊富で「水の王国」とも呼ばれます。その富山県にある小林製薬の工場で、「ナイシトールZ」「命の母A」などが製造されています。安心してお飲みいただける製品をお届けするために、私たちが何よりも重視しなければならないのは、言うまでもなく「安全性」。
富山工場で実際に行われている取り組みをご紹介します。
健康意識が高まり、漢方薬の需要も拡大しています。こうしたニーズの高まりから、富山工場では2022年3月より調合から包装までを行う「漢方棟」を新設。
一貫製造の中で、一人ひとりが責任をもって品質を守る配慮を重ねています。
原料を量る
薬の処方にあわせて、原料を正確に量ります。粉が外にもれないよう、秤量ブースとクリーンルーム・廊下との気圧に差を付けています。気圧に変化をつけることで粉が外にもれず、他の製品への混入を防ぎます。
原料を大きな粒状に加工する
量った原料を混ぜる第一番目の工程です。原料に規定量の水を加え丁寧に攪拌。乾燥を行います。
粒度を揃える
粉である原料を錠剤として固めるには、粒度を均一にする必要があります。
粒度の荒いものを選別し、ここで細かく粉砕。混合室エリアで使用する大きなステンレス製の容器に入れます。
原料を混ぜる
ステンレス製の容器に入れられた原料を、機械を使ってしっかりと混ぜます。
ゆっくり回転させ、丁寧に混合します。
錠剤にする・検査をする
混合エリアから運ばれた原料を機械に入れ、圧力をかけて打錠します。原料にかかる圧力は約1.4〜1.5トン。天然由来の原料なので季節によって水分量が異なるため、仕上がりに違いが出ないよう圧力を細かく調節します。
錠剤となった原料は、チューブの中を通って隣の検査室へ。3Dスキャンやカラーカメラによって上下面の欠けや異物混入がないかなど、品質を一錠一錠厳しくチェックします。
ボトルに詰める
検査を終えた粒は、充填室へ。数を数える機械にかけた後、ボトルに詰めます。
万が一の異常を知らせる金属探知機を設置。人の目でも品質を管理し、安全性を守ります。
品質を守るために、私たちが実施している5つのポイントをご説明します。
GMPとはGood Manufacturing Practice
の略で、「適正製造規範」のことです。原料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、品質の優れた医薬品を製造できる証です。
富山工場では、医薬品GMPだけでなく、「日本健康・栄養食品協会」が発行している「GMP適合認定証」なども取得しています。
漢方薬の製造エリアは、「クリーンルーム」と呼ばれ、医薬品製造に求められる「清浄度クラス100,000」になります。これは、手術室と同等レベルの清潔さ。この状態を保つため、クリーンルームにはさまざまな工夫が施されています。
室内をいくら清潔に保っても、出入りをするスタッフから異物やホコリ、菌が持ち込まれては台無しです。クリーンルームに入室前は、厳重に衛生対策を行っています。
他の成分が混じらないよう、1部屋で取り扱う製品は、必ず1種類。製品の切り替え時には徹底的な洗浄を行います。製品の切り替えがなくても、作業工程が終了した時には作業担当者が洗浄を実施。分解して手作業で磨き上げるため、製造時間よりも時間がかかることもあります。
原料段階から製造中、完成後まで、製品の安全性を守るためにいくつもの検査を行っています。
など