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生薬のこぼれ話

1. 小林製薬の注目生薬

カノコソウ

小林製薬の女性保健薬の重要生薬「カノコソウ(Valeriana fauriei Briquet)」は、オミナエシ科の多年草の植物で、生薬名は「吉草根」と呼ばれます。
日本のみならず、ヨーロッパでも古くから鎮静効果があるものとして、利用されてきた生薬です。「カノコソウ」の部位の中で、生薬として使われるのは根と根茎の部分で強い独特の香りがあります。
この香りに鎮静効果があると言われており、気分の落ち込みやイライラ、興奮といった精神状態を改善する効果が期待できます。
カノコソウは7月頃に小さな花が咲きますが、生薬としては、根や根茎が重要な部位になります。そのため、蕾は手で摘みとり、より根に栄養が届くように栽培しています。
小林製薬では、「カノコソウ」を重要生薬と考え、国内栽培や有効性などについて研究を重ねています。

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サンシシ(山梔子)

防風通聖散の重要生薬サンシシはクチナシの成熟果実を乾燥したものです。
クチナシの実は古くから炎症を鎮めてくれるものとして皮ふ症状、打撲などにも使われてきました。
また、黄色に染まるので、食品の着色料としても古くから使われています。
大分地方の郷土料理としてクチナシのエキスで炊いた黄飯もあり、お祝い事やおもてなしの際に使われています。
クチナシの名前の由来は、果実が枯れるまで口を開けることないことから、「口無し」と名付けられたといわれています。
一般に果実の形が丸いもの(サンシシ)と長いもの(スイシシ)があります。小林製薬の研究では、サンシシに含まれるゲニポシドが肥満に効果があると解明しています。長いものにはゲニポシドが多く含まれていることも分かっています。
当社の防風通聖散には、長いものを採用しています。

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サンシシ
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スイシシ

植物写真(サンシシ、スイシシ):高知県立牧野植物園

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レンニク

清心蓮子飲の重要生薬レンニクは、ハス科のハスの種子を乾燥したものです。
ハスの実は、2000年以上前の実でも発芽・開花するほど強い生命力を持っています。中国では古くから滋養強壮効果があるものとして知られており、レンニク入りの薬膳おかゆは日常的に食べられています。他にも健胃作用や利尿作用があるといわれています。
小林製薬の研究では、レンニクは膀胱筋を弛緩させる効果があると解明されています。レンニクに含まれる成分特定や有効性について研究し続けています。

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植物写真:木下武司著・生薬処方電子事典より

2.製品に換算した
実際に使われる生薬の量

漢方薬は天然の植物や鉱物から作られる生薬を様々に組み合わせて作られています。例えば、防風通聖散では18種類もの生薬(植物由来:15種、鉱物由来:3種)が使われています。植物由来の生薬では栽培に時間が必要で、長いもので収穫までに4~5年かかるものもあります。
また、生薬は収穫・採取した後、洗浄、乾燥など様々な工程を経て使われます。配合生薬が多い処方だと、生薬の状態でもかなりの量となります。
例えば、小林製薬の防風通聖散(満量処方)で使用される生薬の全体量は21日分で約500gにもなります。小林製薬では、原料となる生薬から有効成分を抽出・濃縮し、乾燥させた漢方エキスを用いています。漢方エキス製剤とすることで、効果は維持しながら、飲みやすく保存しやすい製剤を実現しております。
このように、大地と自然の恵みからなる様々な生薬が組み合わされた漢方を現代の生活様態に合わせて服用しやすい製剤として提供しています。

18種類の生薬原料になる
植物及び鉱物
製品に換算した実際に使われる生薬の量01製品に換算した実際に使われる生薬の量02
ナイシトールZに
実際に使われている生薬の量
製品に換算した実際に使われる生薬の量03

3.身近の生薬

シャクヤク

シャクヤクは、5月頃にきれいな花が咲くことで知られ、園芸・鑑賞植物の1つとして多くの人に親しまれています。
実は、この植物の根は漢方で非常に重要な生薬として使われています。
薬効として、鎮静、鎮痛、鎮痙、抗炎症などがあります。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人の姿に花を喩えたことわざがありますが、「気がたってイライラしている人には芍薬、座ってばかりでお腹に血がたまるような人には牡丹、心身が弱っている人には百合」といったような生薬の使い道も示しています。
医薬品の原料としては、シャクヤクの根を乾燥させたものを使います。
薬効成分の含有量などに規定があるため、通常4~5年栽培された後にようやく収穫されます。また、薬用部位である根を太くするために、花の蕾は毎年摘みとり作業が必要になります。
シャクヤクは多くの漢方処方に配合されており、小林製薬の多数の製品にもシャクヤクが使われています。

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植物写真:木下武司著・生薬処方電子事典より
キジツ

キジツはダイダイの未熟果実、または半分に横切りして乾燥したものです。
キジツは健胃作用があり、古いものほど良いと言われています。
2~3年前の果実とその年の果実が1本の同じ木になっている様子を指した「代々」に由来して「ダイダイ(橙)」と名付けられたと言われています。
このことから、永く家が繁栄することを願う縁起ものとして、正月に飾られることになりました。
小林製薬の製品では大柴胡湯に配合されています。

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植物写真:木下武司著・生薬処方電子事典より
キョウニン

生薬キョウニンは杏(あんず)の種子を取り出し、乾燥したものです。杏の実はデザートとして人気のある杏仁豆腐の原料としても使われます。
薬効としては鎮咳去痰作用があります。
医者の美称に「杏林」という言葉がありますが、その由来は中国故事からと言われています。三国時代に、董奉(とうほう)という名医がいましたが、董奉は患者から治療費を受け取るかわりに杏の苗を植えてもらっていました。その後、植えた杏の木が大きな林となったため、後世で名医のことは杏林と呼ばれるようになりました。
小林製薬の製品では清肺湯に配合されています。

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植物写真:木下武司著・生薬処方電子事典より

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